スタッフブログblogs

嚥下障害

 

食べ物や飲み物を「飲み込む」ことを、医学用語で「嚥下」という。この機能が低下すると食べることが自由にできなくなる。それゆえ、嚥下は人が生きていく上で最も重要な機能のひとつだ。

病気とは関係なく、年を取ると嚥下は確実に低下します。なぜなら、老化によって、のどの機能が弱くなるからです。

嚥下が低下すると、食道に送られるべき食べ物や唾液が気管や肺に入り込んで「誤嚥性肺炎」を起こしたり、異物が気管に詰まり「窒息」を起こす危険性があります。また、食事量が減れば筋肉量も減り、体の機能が低下する「サルコペニア」や、栄養不足から脳の機能や思考力が低下する「認知症」の原因にもなります。

嚥下動作の核になるのは、「のどぼとけがタイミング良く上に動くこと」です。のどぼとけがある喉頭が上に動くことで、食道の入り口が開き、食べ物を食道に送り込んでいます。

そして、のどぼとけを引き上げる筋肉は、顎の下にあります。顎の先から少し奥を指で触って飲み込むと、この筋肉が硬くなるのが分かります。

飲み込む力のチェックをしてみましょう

①痰がのどによくたまる。
②唾液が多いと感じる。
③声の感じが変わってきた。
④食事中や食後にむせるようになった。
⑤せき払いが増えた。
⑥就寝中に、せきをするようになった。
⑦のみ込むときに引っかかる感じがする。
⑧のどが詰まった感じがする。
⑨液体の方が固形物よりのみ込みにくい。
⑩食べ物や飲み物が鼻に流れる。

いくつ当てはまりましたか?

「0~1」いまのところしっかりしている。
「2~4」少し弱くなっている。
「5~7」かなり弱くなっている。
「8~10」すでに嚥下障害になっている可能性あり。

老化で嚥下障害が悪化すると、そこから改善させることは困難です。なぜなら、栄養不足によって体力や理解力が急激に衰えるため、高度な訓練が不可能になるからです。

老化による嚥下機能の低下はだれでも起こります。元気なうちから対処をしましょう。

Dr.長谷川でした。