歯周病ってどんな病気?
歯周病とは、歯肉や歯を支える骨などが破壊される病気で、かつては歯槽膿漏と言われていました。歯と歯茎の境目(歯周ポケット)に細菌が入り、歯肉が炎症を起こし赤く腫れてブラッシング時に出血などを引き起こします。さらに進行すると、歯肉の中にある歯を支える骨(歯槽骨)が溶けて、膿が出たり、歯がグラグラしてきます。そして、最後には歯が抜けてしまいます。
歯周病が進行しやすい原因として、初期の段階では虫歯のように歯に穴があいたり、痛みなどの症状が出ず、かなり進行しないと痛みや腫れといった症状が現れないからです。
さらに日本人には歯の定期健診を受ける習慣が全くないことがあげられます。
原因は何?
口の中には400種類の細菌が住んでいるといわれ、普段は悪さをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖などを過剰に摂取すると、プラークを作り出し歯肉に炎症を引き起こし、やがては歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし始めるのです。
さらにプラークをブラッシングで取り除くことができずにいると硬くなり歯石になってしまい、歯の根元まで強固にこびりつきブラッシングでは取り除けなくなってしまいさらに歯周病を進行させます。
プラーク、歯石以外に歯周病を引き起こす因子
- 1. 歯ぎしり、くいしばり、噛みしめ
- 2. 食習慣
- 3. 喫煙
- 4. ストレス
- 5. 糖尿病、ホルモン異常などの全身疾患
- 6. 不適合な冠
歯周病の進行
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健康な歯肉
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歯肉炎
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中等度歯周炎
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重度歯周炎
歯周病の治療の流れ
検査
- 1. 歯周病検査・診断 (レントゲン/歯周ポケット検査をし、歯周病の状態を診断します。)
- 2. 「歯周病とは何か?」、「現在の歯周病の状態」、「歯周病の治療の流れ」について御説明致します。
初期治療
- 1. 歯ブラシ指導(歯周病の状態に合わせた歯ブラシの方法を、毎回確認し御指導いたします。)
- 2. 歯肉縁上スケーリング(歯肉より上に見えるプラーク/歯石の徹底的なクリーニング)
- 3. 歯肉縁下スケーリング(歯肉の下に入り込んだプラーク/歯石の徹底的なクリーニング)
歯ブラシ指導、歯肉縁上・縁下のクリーニングによりプラーク(歯垢)・歯石を口腔内から徹底的に排除します。
歯周病治療を成功させる為に、長期的に健康な状態を維持するために最も大切なステップです。他に、虫歯治療・根の内部の消毒(根管治療)、不適切な冠等もこのステップで実施し、口腔内の病的因子を全て排除し、まずは徹底的に口腔内を清潔な状態に回復させていきます。
再評価
初期治療終了後、歯周病の状態が改善されたか否かを再度、歯周ポケットを検査し評価致します。再評価の治療結果を基に歯周病が改善された部位・改善が不十分な部位を患者様に御説明し、今後の治療の進め方について御相談して決めていきます。
- 1. 歯周病が改善された部位→メンテナンス
- 2. 歯周病の改善が不十分な部位→再度、歯ブラシの徹底/歯肉縁下クリーニング→歯周外科治療
歯周外科治療、再生療法
初期治療終了後の再評価において依然として歯周病の改善が不十分な部位に関し、再度歯ブラシの徹底/歯肉縁下クリーニングを実施しても歯周病の治癒が望めそうにない部位に限定し、患者様の御理解が得られた場合、さらなる歯周病の根絶を目指し、簡単な歯周外科治療を行います。
一般的な局所麻酔を使用して行います。
再生療法

- 1. GTR法(歯周組織再生誘導)
- 2. エムドゲイン(歯周組織再生誘導材)
再評価
歯周外科治療後に歯周病の状態が改善されたか否かを、再度歯周ポケットを検査し確認しメンテナンスへと移行していきます。
メインテナンス
歯周病は再発傾向のある疾患です。長期的に治療効果を継続させ健康な状態を維持するために、定期的に検診しクリーニングをしていく事がとても重要です。 歯周病とは再発の多い病気と言われています。
せっかく治療したのですから健康を維持するために鈴木歯科では患者様一人一人のお口にあわせ特別なプログラムを作り、予防を行っております。
詳しくはメインテナンスのページをご覧ください。
歯周病と全身疾患とのかかわり
みなさんにはあまり知られておりませんが、歯周病に関与する全身疾患は意外と多く存在します。以下に挙げる疾患は歯周病との因果関係が明確に確認されております。
- 1. 糖尿病
- 2. 肺炎
- 3. 虚血性心疾患
- 4. 低体重児出産
- 5. 早産