親知らずの抜歯

親知らずの抜歯にともなう「メリットとデメリット」

親知らずの抜歯にはメリットとデメリットが伴います。「抜くか残すか」については、患者さんの意志を尊重し、慎重に判断します。無理に抜歯を勧めることはありませんので、ご安心ください。

メリット

• 奥歯の歯磨きがしやすくなり虫歯や歯周病の予防につながる
• 虫歯や歯垢改善により口臭を抑えるケースもある

デメリット

• 個人によっては治療後に顔が腫れたり熱が出るケースもある
• 抜歯後しばらくは食事がしづらくなってしまう

親知らずの治療にかける時間をなるべく減らし、必要ない痛みを緩和するための取り組みをご紹介します。

骨の状態を可視化する「CT」

親知らずの周りには、重要な血管や神経が通っています。抜歯の際には、それらを傷つけないよう細心の注意が必要になります。

そのため「CT」で撮影することで、親知らず付近の血管や神経の位置を詳細に把握できます。これは安全な抜歯のために欠かせない、大切な検査といえます。

痛みを抑える「伝達麻酔」

親知らずの治療では、通常の局所麻酔が効きにくい場合があります。そのため当院では、「伝達麻酔」を使用することがあります。

伝達麻酔は、痛みを感じる神経自体を麻痺させる方法で、より広範囲に効果が及ぶため、局所麻酔よりも痛みを軽減できます。

痛みを軽減する「ピエゾサージェリー」

当院では外科的な処置が必要な場合、超音波を利用した「ピエゾサージェリー」という機器を活用しています。この機器は骨などの硬組織のみを精密に切削することができ、歯肉や血管などの柔組織を傷つけることなく処置を行うことが可能です。また、身体に負担が少なく、治療後の回復も速やかです。

骨や歯ぐきの再生を促進する「PRGF」

「PRGF」は患者さんご自身の血液から生成された「フィブリンゲル」を用いて、骨や歯ぐきの再生を促進する治療法です。フィブリンゲルには血小板・成長因子が豊富に含まれており、治療による痛みの軽減や回復の促進が期待されます。また、自身の血液を使用するため、拒絶反応やアレルギーのリスクもありません。

妊娠前の女性には、親知らずの治療を推奨しています。これは、妊娠するとホルモンバランスの変化で親知らずが急に問題を引き起こす可能性があるためです。

妊娠中でも親知らずの治療は可能ですが、その際にはいくつかの懸念事項があります。「痛みのストレス」「レントゲンの影響」「麻酔の使用」「抗生物質の服用」といった治療中のリスクが、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があります。

女性の方は、「妊娠前に親知らずの治療を完了させる」ことを考慮していただくことをおすすめします。

片方の親知らずを抜いたら、もう片方も抜いた方が良いですか？

問題がなければ抜く必要はありません。しかし、もう片方も抜歯した歯と同じような状態になっているときは、両方抜歯することをおすすめしています。

親知らずは歯並びに悪い影響を与えますか？

親知らずに生えている歯が押されて、結果歯並びが悪くなってしまうことがあります。これはケースバイケースのためすべての親知らずが悪影響になるかは、一概には言えません。気になる方は、ご来院の上ご相談ください。レントゲンなどで、歯並びに影響があるかを調べることができます。

どんな親知らずでも抜歯できますか？

ほかの歯科医院では、大学病院などに紹介されるケースの場合でも、当院で柔軟に対応可能です。ただし、「心臓病」「重度の糖尿病」「神経や血管を損傷するリスクが高い」といったケースでは、ほかの病院を紹介させていただく場合もあります。